もりハグ!広場

「港北ニュータウン緑の会」視察会 その3

交流会

東京農業大学 4年 地域環境科学部造園科学科 伊勢文晴

 見学会の後、皆さんが管理している倉庫脇の広場で、昼食をとりながらの交流会が開かれました。そこでは緑地の管理保全や市民参加型の幅広い活動で、第41回 緑の都市賞 において国土交通大臣賞をとるまでに至る活動運営の秘訣を伺うことができました。

交流会の様子

「70点。70点で大丈夫。」

――そう語ってくれたのは永田和宏さん。東京藝術大学教授、東京工業大学名誉教授であり、港北ニュータウン緑の会代表も務めていらっしゃいます。なぜ70点なのかは東工大の合格点が70点だからだそうです。

永田さんを中心に長期的で安定した活動のノウハウについて話していただきました。

みどりの会のマネジメントの理想は 楽しんでやる! ことだそうです。実際に活動にあたるときには誰が何をするかを決めず、ノルマなし、文句なし、できることを楽しくやってもらうことにするそうです。

そうして好きにやらせることで「私は竹切るのが好き」→竹の専門家に!
「チェーンソー好き」→作業用機械に詳しく!

このようにやる気にみちた専門家ができあがるそうで、メンバー約50人が参加する団体になったそうです。

――なぜこのような運営方法になったのか、それは失敗からだと話してくれました。

永田さんは過去にNPO団体を設立していたそうで、NPO団体では
事業報告など事務的な作業をしなければならず、 →基準ができる→厳しくなる→怒って辞めてしまうというような悪循環に陥ってしまったそうです。これらのことを後悔して今の運営方法になったそうです。

 永田さんたちは日本における活動運営のこれからについても話してくれました。

今と昔では緑地の管理保全についての住民の考え方に違いを感じているそうで、

昔:自分たちで行動しないといけない。
今:お金を払っているから何とかしてよ。      

これではいけないらしく
これからは楽しいからやる! に未来を変える必要があると語ってくれました。

 都市の中にある自然環境で住民の方たちだけでこれほど緑地が管理されているところは、造園科学科として様々な公園を見てきた私としても初めてのことでとてもすごいことだなと思いました。

お話を伺いながら、このような形で公園の緑地を活動運営している。という認識を広げることが必要だととても深く、深く感じました。ありがとうございました。

交流会後の集合写真

伊勢文晴さんのレポート(PDF)はこちらからご覧ください