もりハグ!広場

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外来種対策「ランタナの駆除」について

A:回答①小笠原でのランタナ駆除についてご説明します(小笠原野生生物研究会 薮内良昌さんからのご回答)

小笠原でのランタナ駆除についてご説明します。ランタナは小笠原では侵略的外来種として駆除の対象になっていますが鳥散布などもあり、なかなか根絶がむつかしいのが現状です。当会の駆除の現状をお知らせします。ただし、小笠原という海洋島の例なのであてはまらないことがあるかもしれません。

1.ラウンドアップを根に注入する方法がいいのですが、使えないとのことで割愛します。

2.ランタナは地下茎を全部抜かないと駆除できません。
①鍬で根まで掘り返し、地下茎を全部引き抜きます。大変ですが少しづつでもそうすることが確実です。(学生にボランティアでやってもらうのが一番です)

②問題はそのあとです。埋土種子があるため駆除しても再生します。ですから駆除した後は必ず在来種を播種または植栽します。
小笠原では海岸林を構成するモモタマナという木を植栽します。(タコノキの場合もあります)成長が早く樹冠を形成し、陰を作りランタナの再生を押さえます。早く樹幹を形成する木本が望ましい。まず、成長の早い在来種を植え、ランタナの再生を押さえた後で、望ましい植生回復を図ります。
在来植生が出来上がるとランタナは再生しません。(小笠原では在来植生が壊れたところにランタナ等の外来種が入り込みます。在来植生が復活すればランタナも抑えられます。)
※このモモタマナはクマネズミが大好きで、種も稚樹もみんなたべられます。ですからベイトステーション(殺鼠剤を充填した容器、鳥などの非標的種が食べない工夫をした容器)を置いたり、トリカルネットで囲ったりしなければなりません)

③その間、年に一度くらいは再生するランタナを駆除します。
(メンテナンス駆除と呼んでいます) 
ランタナが小さい早期に駆除することが手間もかからず、大切です。
(外来種は大体成長が早いので在来種を植栽しても負けることが多いのでバックアップが必要です)
以上簡単ですが現状をお知らせします。

小笠原は侵略的外来種との戦いが保全そのものと言えます。
小笠原の生態系は箱入り娘なので外来種の猛威に苦戦しています。