もりハグ!広場

「平城山」の読み方?

奈良・人と自然の会 鈴木末一さんよりレポートをいただきました!

「平城山」は、「へいじょうやま」それとも「ならやま」と読むのでしょうか。

 奈良県内の鉄道の駅名には、次のような二つがあります。近鉄京都線の「平城」駅とJR関西本線の「平城山」駅です。前者は「へいじょう」で、後者は「ならやま」と呼ばれています。つまり「平城」を「ならやま」と読むのは難しいのではと思います。「なら」の由来は、「平らな所」「ならした地域」を表す地形を名付けたものではと思います。(写真を参照)

日本書紀・崇神天皇10年9月条に「即ち精兵を率いて、進みて那羅(なら)山に登り、之に軍(いくさだち)す。時に官軍は屯聚(あつま)り、草木を踏みならす。因りて其の山を号して、那羅山と曰ふ」という地名説話がみえ、壬申の乱では、大伴吹負(ふけい)軍と大野君果安(はたやす)軍とが、乃楽(なら)山で戦うなど、大和北辺の守りとなった山であったようです。そのようなことからも、奈良(なら)山・平城 (なら)山・那羅(なら)山・寧楽 (なら)山・乃楽(なら)山・楢(なら)山などと記されています。
 平城山丘陵は、平城宮跡の北側から鴻ノ池運動公園、平城相楽ニュータウンなど京都府木津川市に広がる丘陵地帯のことです。南方を望めば大和の国、北方を望めば山城の国を一望することができます。佐紀・佐保古墳群が点在しています。全長200m以上の巨大前方後円墳が広がっています。県内でも有数の御陵が造営されたのです。

北部の奈良市周辺地域には、南都仏教の歴史に由来する地名も多くあります。そこで、難読
地名について徒然なるままに書いてみたいと思います。
「忍辱山(にんにくせん)町」「菩提山(ぼだいせん)町」「誓多林(せたりん)町」「大慈仙(だいじせん)町」などがあり、「忍辱山」は円成寺の山号が町名となっています。その他にも北部地域には、奈良時代の面影が残る地名として、「内侍原町」(なしはら・興福寺の南都七郷の一つ)、「山陵町(みささぎ・孝謙・成務天皇陵)」、「京終(きょうばて・平城京左京の東端)」などがあります。
県内の中部や南部には、植物に由来する地名があります。「生」がつく地名には、芝が生える地域として宇陀市の「芝生(しぼう)」など。神武天皇陵がある「橿原市」は、畝傍山(大和三山の一つ)付近に生えていた「橿」を伐り開いた地を表しているようです。
 

それでは、県内の難読地名を列挙してみます。頭の体操に如何でしょうか。
奈良市 ①生琉里町、②三碓町、
宇陀市 ③赤埴、④守道、⑤吉隠
橿原市 ⑥雲梯町、⑦膳夫町、⑧新口町、➈飯高町、
香芝市 ➉狐井、
葛城市 ⑪忍海、⑫新村、
五條市 ⑬江出、⑭生子町、
御所市 ⑮五百家、⑯今城、⑰蛇穴、⑱重阪、
桜井市 ⑲小夫、⑳忍阪
(回答はページ下方にあります。みなさんいくつよめましたか?)

難読地名には、それぞれにそれなりの由来があるようです。皆様方の地域にも色々な由来の地名があると思います。ご教示ください。
 (奈良・人と自然の会 顧問 鈴木末一)

「難読地名の解答」① ふるさと、②みつがらす、③あかばね、④もち、⑤よなばり、⑥うなて、⑦かしわで、⑧にのくち、⑨ひだか、⑩きつい、⑪おしみ、⑫しむら、⑬えずる、⑭おぶす、⑮いうか、⑯いまんじょう、⑰さらぎ、⑱へいさか、⑲おおぶ、⑳おっさか